消防設備保守点検の必要性

消防設備の不具合により、避難や初期消火が遅れ、被害が拡大した過去の例は数多く存在します。 建物新築時に設置した設備も、時間とともに不作動となったり、正しく機能しなくなる可能性が高くなっていきます。 これらの設備を、定期的に、意識して行わないと、いつの間にか機能が損なわれていて、イザというときに使えなかった・・・ということになってしまいます。

機器の経年劣化の状況確認・進行予防

自動火災報知設備、非常警報設備、漏電火災警報機や消火ポンプの制御盤などの電気製品のコネクタースイッチ端子等の接点は物理的に接点が摩耗する他に、 温度変化、空気中の湿気や酸素、塩分及び亜硫酸ガス等の有害ガスによって少しずつ酸化腐食し接触抵抗や迷走電流の増加が起こり機器の性能を劣化させています。 特に、ホコリやタバコの煙、温度差・湿度差の有る場所、工作機械等の油分が飛散している作業場などで使用される機器の場合は、各設備の性能低下の速度を速める原因となります。
速度の差はあるにしろ、機器の経年劣化は妨げることのできない現象であります。 定期的に点検することによって、これらの設備の劣化を確認します。また、注油やホコリ・汚れの除去により、劣化の進行を遅らせます。

火災予防性能のキープ

自動火災報知設備の感知器の種別、スプリンクラー設備のヘッド位置、避難器具の設置台数・設置場所、防火シャッターやドアの場所などは、 過去の火事の教訓や、火や煙の物理的・化学的な性状、幾度となく行われた実証実験などにより建物及びその在館者を守るべく考え出された基準によって、設置されております。
各消防設備は、部屋や建物の用途や間取りにあわせて有効に作動するように設置されております。 部屋の模様替え、階段等のレイアウト変更、間仕切り追加、部屋や建物の用途変更など、建物に関する大小さまざまな仕様の変更により、 火災の際に有効に「報知」「消火」「避難誘導」が出来なくなる可能性があります。これらを技術者の目から見て考え、 必要に応じて、設備の増設、移設、変更などを行うよう判断します。現在は、法規に従ってこれらの判断をします。

法律では・・・

消防法第17条3の3に次のように義務づけられております。

防火対象物の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等について、 自治省令で定めるところにより、 定期に、当該防火対象物のうち 政令で定めるものにあっては消防設備士免状の交付を受けている者又は自治大臣が認める資格を有する者に点検させ、 その他のものにあっては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

劣化した消防設備のいろいろ

当社が機器不良などで撤去した消防設備の状態を掲載しています。 設置環境や経年劣化などでどの程度劣化するか参考となるように掲載いたします。 これまでの「劣化した消防設備のいろいろ」はこちらです。

立入検査(査察)について

立入検査(査察とも呼ばれることがあります)は、 本来防火対象物の関係者が、自主的に履行すべき消防法令等の遵守状況について、 法の執行として行政監督の立場からチェックし、当該法令等を履行させるために行われます。

消防法では、

消防法第4条

消防長又は消防署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、 若しくは報告を求め、又は当該消防職員(消防本部を置かない市町村においては、 当該市町村の消防事務に従事する職員又は常勤の消防団員。第5条の3第2項を除き、以下同じ。)にあらゆる仕事場、 工場若しくは公衆の出入する場所その他の関係のある場所に立ち入つて、消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況を検査させ、 若しくは関係のある者に質問させることができる。 ただし、個人の住居は、関係者の承諾を得た場合又は火災発生のおそれが著しく大であるため、 特に緊急の必要がある場合でなければ、立ち入らせてはならない。

および

消防法第16条の5

市町村長等は、危険物の貯蔵又は取扱に伴う火災の防止のため必要があると認めるときは、 指定数量以上の危険物を貯蔵し、若しくは取り扱つていると認められるすべての場所(以下この項において「貯蔵所等」という。)の所有者、 管理者若しくは占有者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、 又は当該消防事務に従事する職員に、貯蔵所等に立ち入り、これらの場所の位置、 構造若しくは設備及び危険物の貯蔵若しくは取扱いについて検査させ、関係のある者に質問させ、 若しくは試験のため必要な最少限度の数量に限り危険物若しくは危険物であることの疑いのある物を収去させることができる。

と明記されております。

立入検査の手順

立入検査手順

立入検査結果通知書の様式や呼び名は、各消防によって変わる可能性がございます。また、防火管理者の選任や、防災計画の作成などが含まれる可能性がございます。

立入検査のポイント

  • 通路上に避難障害となるものがおいてある場合、「避難障害」として指摘されます。
  • 熱感知器や煙感知器が部屋についていない、「未警戒区域」の指摘。
  • 避難誘導灯が目視できるか。誘導灯の蛍光灯が切れていては指摘されます。
  • 消火器の適切な配置。
  • 屋内消火栓の扉の開閉障害やホースノズルの確認。
  • スプリンクラーが設置している場合には、パーテーションなどにより障害とならないか確認。

サンコー防災の取り組み

不備・欠陥事項の改修および設置から点検結果報告書の作成および消防提出のサポート、防火管理者の選任方法や防災計画のサポートをおこなっております。

インターネットから点検結果報告書や履歴を閲覧できる「防火管理カルテ」の提供。非火災などの24時間対応。避難訓練の実施。また、当社で各種保険に加入しており、 保守点検作業や避難訓練時の偶発的な事故に対応できる体制をとっております。詳しくは「消防設備保守点検」を参照してみてください。

日頃、意識していない消防設備ですが、いざというとき重要な働きを求められます。 サンコー防災ではお客様の危機管理をサポートするべく、一つ一つの確実な積み重ねで安心・安全の社会をつくります。

消火器の訪問点検にご注意!

最近、病院や工場、店舗、学校などを狙って、巧妙な手口を使い、不適切な点検や脅迫的な言動で高額請求をする、 といった被害が多発しています。中には「代金の支払が済むまで、消火器を保管する」と言って、消火器を持ち帰ってしまうケースもあります。

トラブル防止のポイント

  • 訪問者に身分証明書等の提示を求め、点検契約業者であるか必ず確認する。
  • すぐに契約書等に署名・押印をしない。
  • 防火管理者又は防火の責任者に連絡し、直近の点検状況(点検済であるかどうか)を確認する。
  • 契約業者でないと分かったら、ハッキリと点検を拒否する。

などです。業者を不審に思った場合は、直ちに最寄りの消防署・分署・出張所に連絡して相談して下さい。

こんな手口を使います

  • 契約業者になりすまして、電話で「消火器の点検時期になりました。今からお伺いします。」
    ポイント:突然訪問することもあります。契約業者なのか確認しましょう。
  • 契約書であることを隠し、「預かり証」と勘違いさせて担当者のサインを求めます。
    ポイント:みだりにサインをしない!。アルバイトや女性事務員などにサインを求められますので、その書類が何であるか確認しましょう。
  • 薬剤を詰め替えたからといって、高額な請求をします。
    ポイント:消火器の薬剤詰替は、一度にすべての消火器の薬剤を詰め替える必要はありません。(一般的には、事業所内に設置されている全消火器の5%を半年ごとに放射試験をし、その消火器の薬剤を詰め替えます。)
  • 契約書にサインしてあるとか、支払わないなら消火器を返さない。裁判をするなどといいます。
    ポイント:相手の行為に法令違反がないのか弁護士に相談するのが確実です。消防法令等に違反している場合には、消防や警察の協力を求めることもできます。

裁判での事例

  • 大阪高等裁判所 平成15年7月30日判決 平成15年(ネ)第1055号 動産引渡等請求控訴事件
  • 大津高等裁判所 平成13年12月7日判決 平成13年(ワ)第198号 請負代金請求事件

上記判決文等は、消防庁ホームページをご参照下さい。 「消火器の訪問点検によるトラブルにご用心」パンフレットもPDFでダウンロードできます。http://www.fdma.go.jp/html/life/caution.html

サンコー防災の取り組み

点検が終了した消火器に、「点検業者名」「点検年月日」「次回点検年月」「発行番号」を明記した点検済証を貼付します。 また、「消火器の訪問点検によるトラブルにご用心」というパンフレットを配布しております。

点検済証

ホテル・旅館火災の特徴と事例

ホテルや旅館は、不特定多数の人の利用が主となります。在館者の多くが、その建物の間取り、構造などに詳しくなく、出入りや移動が不自由となります。 また、観光地のホテル・旅館においては、ビジネスホテルと異なり、飲酒をともなう宴会等が開催される場合が数多く有ります。 旅の開放感や料理のうまさについつい酒量は普段より多くなり、旅の疲れもあり、夜は熟睡状態になります。

深夜、在館者は、「建物の勝手を知る健常な睡眠者」とは明らかに違う「避難が容易でない酩酊した睡眠者」となっている場合が考えられます。 「火の不始末」「寝タバコ」の可能性は通常より高くなります。また、火災時のベルの反応も鈍くなることが考えられます。